インテルメッツオ(ちょっとひとやすみ)(3) 2011年の手帳は、高橋書店<ニューダイアリー アルファ11>に決定

 今回は、音楽から少し離れて、2011年の手帳選びについて述べてみたいと思います。
 まず、私が最近10年間に使用した手帳を振り返ってみます。
1、2001年:生産性出版<エグゼクティブ・M&W 黒(83)>
 これまで長期にわたって能率手帳(革装版、あるいは普及版)を愛用していたのですが、生産性手帳を見つけてから、能率手帳にはない月間予定表のブロック形式が便利ということと、週間予定表は能率手帳と同じレフト式ですが手帳自体が大きいので、記入スペースが広いということから選択しました。能率手帳の月間予定表のガンチャート形式が私にはうまく使いこなせなかったこともあります。
2、2002年:生産性出版<エグゼクティブ・M&W 黒(83)>
 この年も昨年と同じ手帳を使用しました。
3、2003年:<能率手帳、普及版、日本鉄道地図付>
 この年は、3月に九州から上京して新しい仕事につく予定でしたので、気分を変えるためと、長年愛用してきた能率手帳が懐かしく、生産性手帳に特別不満はなかったものの、再び能率手帳に回帰することとなりました。やはり気持ちの上で安堵感というものがありました。
4、2004年:<能率手帳、普及版、日本鉄道地図付>
 この年も前年と同じです。
5、2005年:(1)日本ビジネスプラン<Business Plan>
 これは、取引先から貰ったジャバラ式の月間横罫のみのもの。記入スペースが少ないので、下記の手帳と併用しました。
        (2)<能率ダイアリーネクサスゾーン>
 A5の大判のよく出来た手帳ですが、私には十分使いこなせませんでした。
6、2006年:生産性出版:<エグゼクティブ・M&W 黒(83)>
 昨年は失敗したので、生産性手帳に戻しました。
7、2007年:この年も2つの手帳を併用しました。
      (1)生産性出版<エグゼクティブ・パーソナル>
 これは、月間ブロックだけで、週間予定表がないので携帯には便利でした。週間予定は下記の手帳で管理しました。
      (2)<ほぼ日手帳
 評判の手帳を初めて使ってみました。(1)を携帯し、(2)をバッグに入れて併用しましたが、(2)は記入スペースが広すぎて、スペースを埋めなければならないという強迫観念を抱いてしまい、やや重荷になりました。
8、2008年:生産性出版:<エグゼクティブ・M&W 黒(83)>
 また、生産性手帳です。いい手帳だと思います。
9、2009年:(1)高橋書店<リシェル3>
 週間バーチカル方式が普及してきたので試しに使用してみようと思い、この形式では大変優れていると思われる手帳を選択しました。4月位まで使いましたが、下記の(2)に切り替えました。バーチカルが私の仕事と生活のスタイルに合わないとともに、サイズが内ポケットに入れるにはやや大き過ぎ、内ポケットからの出し入れに手間取るため断念しました。
 また、月間予定表のブロックが、各月の週間予定ダイアリーの前にあり、月間予定だけを通して一覧出来ないのは不便でした。
          (2)高橋書店<ニューダイアリー アルファ13> 
 いわゆる、リンクアップ式の週間予定表です。初めてでしたが、背広の内ポケットからの出し入れがスムースで、内容も使いよかったと思います。
10、2010年:高橋書店<ニューダイアリー アルファ13>
 昨年、使い勝手がよかったので、今年も愛用しています。

 さて、今年の手帳です。「日経ビジネスアソシエ」や「プレジデント」の手帳特集を参考に、また銀座の「伊東屋」や西武百貨店の「LOFT」なども訪れ、実物を色々矯めつ眇めつして考えてみました。
 傾向としては、(1)大手企業の社長などは大体「能率手帳」や「能率手帳Wic」「レッツ」などの、背広の内ポケットに入る携帯に便利な薄目の小型手帳を選択し、(2)営業職など毎日の時間のスケジュールがびっしりと詰まっている人は、A5版などの大きなバーチカル手帳を中心に選ぶ傾向があります。例えば「クオバディス」「蔭山手帳」「能率ダイアリーA5」あるいは「ほぼ日手帳」や各種の「システム手帳」など枚挙にいとまがなく、これらが現在もっとも人気を呼んでいる手帳です。
 手帳の使用目的はこの二種類に大きく分けられます。
 前者(1)は、詳細なスケジュールは秘書が管理をしていて、自ら携帯するのは簡単に予定が分かるもので用が足りる社長たちが主に愛用しているようです。あるいは、特に多くの時間に追われるようなスケジュールに縛られることなく、処理しなければならないTo Doのいくつかの項目を備忘録的に記入するだけでよい場合もあります。バーチカルはびっしり埋まらないと、空白部分のスペースが無駄となってしまいます。
 後者(2)は、時間刻みに人に会うとか、処理すべき案件を多数抱えている、ビジネスの最前線で活躍する人には必須のものでしょう。
 ところで、私が来年の手帳として選ぶ基準は下記のとおりです。当然、クオバディスやレッツやモレスキンはノミネートから外れます。これらは、C,D,Fが絶対にクリアーできませんので。(この基準から考えられる手帳選びのコンセプトを、上記の区分に強いて当てはめれば、(1)と(2)の中間位と言えるでしょうか。)
A.週間予定表の一日の記入欄が広く、それぞれが比較的自由に使えるように工夫されていること
B.背広の内ポケットへの収納が容易なこと
C.年齢早見表・地下鉄路線図が付いていること(度量衡換算表、印紙税額表、複利表もあれば便利だが、頻繁に使うものでもなく必要度は低い)
D.国内及び国際郵便料金早見表が付いていること
E.手帳を開いた時も比較的フラットな状態で、机上に置いたときに、手を離しても閉じてしまわないこと
F.昨年・今年・来年の3年分のカレンダーがあること(六曜二十四節気の記載のあるもの)
G.巻末に12ページ以上の自由に使える手帳ページがあること
H.アドレス帳が付いていること
I.月間予定がブロック式で、かつ月曜始まりで、ブロックの各週の左側に1列分、週の予定を記入できるメモ欄があること
J.裏写りしない厚手の良質な紙質である、かつ若干クリーム色であること(真っ白な紙はダメ)

 この条件をほぼクリアーしているのが、今年も使った高橋書店の「ニューダイアリー アルファ13>(リンクアップ式)です。それでも今年は、同じ高橋書店<ニューダアイアリー アルファ11>に変更しました。その理由は次のとおりです。
A.リンクアップ式は汎用性が高く、よくできているのですが、リンクを切った部分のスペースがやや大きく、他の記入スペースを少し狭くしている感がします。また、レフト式に比べると、過去の記録がやや辿りにくい欠点があります。
 アルファ11の見開き1週間セパレート式は、時間軸を縦ではなく、上部に横軸に切ってあります。従って、上部の1〜2行をレフト式と同じように使用しても、その下に十分な記入スペースが残ります。加えて、左の日にち欄の下が白紙になっているので、やや狭いものの、To Do欄としても使えます。実によくできたデザインであると感心しました。
D.の郵便料金早見表は、高橋書店の手帳は実に詳しく、例えば、国際小包のSALやEMSにまで説明がなされていて、一寸した感動ものでした。
E.は私にとっては大事なことです。A5手帳では、「ラコニック」がもっともフラットに開く優れた手帳でした。小型手帳では、なぜかすぐに閉じてしまうものが多いのです。例えば「エクセル プラス1」がそうです。この手帳は付録が充実しているなど、グランドデザインとしては優れた手帳なのですが(一時これも候補に考えました)、残念ながら綴じ方が固くて開いたままになりにくいことと、紙質が白すぎること、アドレス帳が付いていないことなで、断念しました。もう一工夫すればいい手帳になると思いますが。ニューダイアリー アルファは比較的開きやすい手帳です。ちょっと押せば、開いたままになります。
F.リンクアップ式手帳には3年分のカレンダーがありましたが、アルファ11には昨年分のカレンダーが付いていません。今年と来年のものだけです。唯一残念な点です。
G.私は数多くの、例えば、加入者番号、暗証番号、ID、パスワードなどを利用していますが、これらは皆エクセルでまとめプリントアウトして手帳に貼り付けています。これが、8〜10ページを占めます。また貼り付けた手帳は常に携帯する必要があります。
I.月間予定表のブロック式は、2ページで1ケ月分の日数にブロック割してありますが、ページ全部を使っているものの方が(生産性手帳がそうです)、当然記入スペースが広くて使い勝手がいいように思われます。しかし、私は左側にメモ欄があって、その週にしなければならないが日時が特定できない事柄、あるいはその週の内に行えばいいので日時を特定する必要のない事項を記入できるものの方が便利だと思います。
J.手帳の紙質は、能率手帳では「普及版」「Wic」、高橋書店ではほぼ全般に優れていると思います。私は、手帳に4色ボールペンと赤や黄のマーカーを用いますので、厚手で、裏写りのしないものを選びます。「ほぼ日手帳」も、新しく発売された「ほぼ日手帳2011WEEKS」も、他の点は別にして、やや裏写りしやすい紙質であるようなので残念です。(まあ、1日1ページの手帳では、あまり厚い紙は使えないのでしょう。) 
 以上、くだくだしく述べてきましたが、来年の手帳が決まりほっとしています。手帳選びは、年末の楽しみの一つですが、今年は意外と早く決まりました。