独逸旅行日記(4) ベルリン篇 その1<ウンター・デン・リンデンを歩く>

 10月4日、プラハ駅発午前10時31分発のベルリン行き直行列車に乗りました。6人乗りコンパートメントで、若い日本人のバック・パッカーがドレスデンまで一緒でした。北欧からずっと下って来たとのことです。天気は今までずっと晴れでしたが、この日は曇りで、そのせいか少し冷えます。
 ベルリン到着は15時20分で、ほぼ定刻です。ベルリン中央駅からSバーンに乗り、Hackesher Markt駅で下車、ホテルまで徒歩で、着いたのは16時頃でした。
 ホテルの部屋の窓からは、ホーレンツォレン家の記念教会だったベルリン大聖堂が目の前です。ベルリンは快晴でした。
 左が、ベルリンまで乗ってきた列車、右はホテルの窓から見たベルリン大聖堂です。ここには代々のプロイセン王の墓碑があります。
 
 ホテルでチェック・インを済ませ、街に出ますと、ホテル前の大通りがウンター・デン・リンデンです。徒歩5〜10分圏内に、ドイツ歴史博物館やベルリン・シュターツ・オパー(ベルリン国立歌劇場)あるいはフンボルト大学ベルリンなどが続きます。
 左がシュターツ・オパー(現在工事中です)、右がフンボルト大学ベルリンで、右の像は創立者フンボルトです。この大学は、1810年にヴィルヘルム・フォン・フンボルトによって創立された比較的歴史の新しい大学ですが、「ドイツ国民に告ぐ」で有名な初代学長のヨハン・ゴットリープ・フィヒテや、後に総長になるフリードリヒ・ヘーゲルなど当代きっての学識を招き、またドイツ帝国政府の強い後押しもあって、ドイツを代表する有力な大学となっていきます。オットー・フォン・ビスマルクカール・マルクス、ミハイル・バクーニン、オスヴァルト・シュペングラー、フランツ・エルンスト・ノイマンワシリー・レオンチェフ、はたまたロベルト・ムジルやイワン・ツルゲーネフカール・バルトなど多数の著名人が在学した経験を持っています。第二次大戦後の分割ベルリンでは東ドイツ側に位置し、”フンボルト大学”となりましたが、社会主義政権下での統制的な大学管理に反発した教師・学生らが離反し、1948年に西側地区にベルリン自由大学が創設されています。ドイツが統一し現在の名称となり、再び進化を遂げつつあります。なお、校舎の右側に隣接しているベルリン国立図書館は現在工事中でした。(国立図書館は2つあり、もうひとつはポツダム広場のフィルハーモニーの近くにあります。)
 

 また、左はウンター・デン・リンデンで、右が通りの突き当たりにあるブランデンブルグ門です。この門は、プロイセン王国凱旋門として1788年から3年の歳月をかけて造られました。ナポレオンやベルリンの東西分割などに翻弄され続けてきた歴史的建造物です。
 
 夕食を採ったのは、ブランデンブルグ門脇の”テオドール・トゥーハー”でした。クリントン大統領やブッシュ大統領などが訪れたという店ですが、料金は極めてリ−ズナブルでした。接客態度も言う事はなく、さすがベルリンを代表するレストランだと感じ入りました。
 食事を終えて(7時ころ)夜のブランデンブルグ門やウンター・デン・リンデンを歩きました。晴れ上がった夜空の下、暑くも寒くもないまことに快適な夜です。長年の念願がかなって、本当に夢のような幸せな気分に浸りました。
 以下の写真は、夜のウンター・デン・リンデンブランデンブルグ門です。右下は、ウンター・デン・リンデンに面したカフェ”アインシュタイン”です。夜の通りを眺めながら飲むコーヒーの味は格別でした。
 
 
 この日は、これで満足してホテルへ戻りました。さすがに夜は少し寒くなってきました。
 娘とパソコンで検索して、明日フィルハーモニー室内楽ホールで、アンドラーシュ・シフのピアノ・リサイタルが行われるのを知り、ただちにネットで入場券を求めました。バッハの「イギリス組曲」全曲を演奏します。料金は一番いい席でしたので、37ユーロ、日本円で4,500円位です。明日がとても楽しみです。
 翌5日は、2階建てバスでLust Gartenから乗ってGroßer Stemというところで降り、戦勝記念塔を見に行きますが、何と修復工事中です。仕方なくすぐ傍のティーア・ガルテンを少し散策して、ビスマルクモルトケの像を見つけました。さすがは、ベルリンはかつてのプロイセン王国の首都だっただけのことはあります。
 左が工事中の戦勝記念塔ジーゲスゾイレ、右がティーガルテンの中の風景。
 
 ティーガルテンの中に建てられた、左はビスマルク、右はモルトケの像です。
 


バスでツォー駅へ戻り、バスでシャルロッテンブルグ宮殿に向かいます。もう正午になりました。宮殿内部と美しい庭園も見学します。
 ここは初代プロイセン国王のフリードリヒ一世の妃ゾフィーシャルロッテの夏の別荘です。何という贅沢でしょう。
 

 この後、フリードリヒ・シュトラーセ駅近くの「一心」という大きな寿司店で寿司をたべてから、「ユダヤ犠牲者記念館」向かいますが、あとは次回とします。